りんごの医薬的効果

たつみ農園の豆知識

西洋のことわざ「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」

原語は「An apple a day keeps the doctor away」である。英語として冠詞が「an」とか、「keep --- away」の使い方とか、「s」がついたりするので、試験に出してもよい文章である。実際に中学生の入試の英語の問題に出ているのを見たことがある。それほど一般的な諺として知られている。(弘前大学衛生学講座・佐々木教授)

高血圧に

たつみ農園のりんご栽培は昭和6年に始まりました。この間3代にわたり土作りに重点をおき、毎年家畜の良質な堆肥を投入して土壌改良を重ねてきました。
りんごを毎日3個以上食べると血圧が下がり、脳卒中や高血圧が少ない。果実中のカリウムが効果があるのではとされている。(弘前大学衛生学講座・佐々木教授) りんごを1日食べる個数と血圧との関係

胃腸病と貧血に

胃病の人にりんご果汁を与えると、胃カタル、胃炎などの酸の少ない人は酸が増し、胃液の分泌をすすめて、消化が良くなる。 また、貧血すると胃液の分泌が少なく、酸がなくなるが、3部位の濃いリンゴ果汁を与えると貧血は回復する。 このように、リンゴ果汁は胃液の酸と赤血球を増す効果がある。(弘前大学内科教室・松永教授)

胃腸と解毒に

異常に高まった腸の運動をりんご果汁は元通りにし、また、極度に弱まっている腸の運動を元気にするような腸の調整作用がある。 また、りんごに含まれているペクチンは解毒効果が高く、下痢などの腸の調子の悪い時に効果がある。(弘前大学薬理学教室・角田教授) このような場合は、丸ごと食べるより、すりおろして食べると胃の負担も軽くなる。

疲労回復に

疲労を感じた時に、りんごを食べると、りんごのさわやかさが気分をほぐす。 疲労状態のときの身体のアルカリ分の多い状況をりんごの酸が中和し、疲労回復の効果が出る。

心臓病・脳卒中の予防に

心臓病や脳卒中に対するリンゴの効果も明らかになってきています。
フィンランドで1967年から28年間、約1万人の男女を調べた疫学調査では、リンゴの摂取は、脳卒中になるリスクを男性で41%、女性で39%下げると報告されています。このリスク低減効果は、ワインやお茶、タマネギよりも高いとしています。
コレステロールや中性脂肪が増加すると、動脈硬化の原因となり、循環器系疾患の発症が増えます。血清中のコレステロール値が265mg/dl以上の人は、220mg/dl以下の人に比べ、心臓病になる危険率が2~5倍になるとされています。
中年の高リポタンパク質血症(高脂結晶)の患者は、心臓病発症の危険が高まります。
高リポタンパク質血症患者にリンゴペクチンを1日15g摂取してもらうと、血液中の総コレステロールと中性脂肪が有意に低下するとともに、HDL-コレステロール(善玉コレステロール)が増加し、90日後には健常者の脂質構成に近づきました。(日本園芸農業協同組合連合会のくだもののはたらきより抜粋)

がん予防に有効なビタミンC

りんごはビタミンCの多い果物ではないが、大量のビタミンCでガン予防に効果があると言われる。
アスコルビン酸(ビタミンC)は体内にできる発ガン性物質のニトロソアミンの生成を阻害する効果があるという。(アメリカのライナス・ポーリング博士)
フィンランドで25年間、疫学調査が行われ、りんご摂取は、肺ガンに対する予防効果がきわめて高いことがわかりました。リンゴを多く食べている人は、食べてない人に比べてリスクが58%も減少します。
また、リンゴの摂取は肺がんを含むすべてのガンに対しても17%リスクを下げると報告されています。
わが国では食生活の欧米化にともない、直腸ガン、結腸ガンが増加しています。
ウルグアイで行われた241例についての疫学調査でリンゴの摂取が、直腸ガン、結腸ガンの罹患リスクを60%下げることが示されました。
またTazawaらはラットを使った実験で、リンゴ由来のペクチンは結腸ガンに有効であると報告されている。(日本園芸農業協同組合連合会のくだもののはたらきより抜粋)

ビタミンCを効率よく体内へ

リンゴは果物の中ではビタミンC含量はさほど多くありません。(6mg/200g)にもかかわらず、果樹研究所、さとうクリニック、江東微生物研究所が共同して行ったヒト介入研究の結果、血液中に含まれているビタミンC含量は、リンゴ摂取前と比較して34%、有意に増加しました。
モルモットにリンゴを与えると血液中のビタミンC含量が2倍となり、肝臓や副腎でも増加するとの報告とを総合すると、リンゴのビタミンC含量は比較的少ないものの、ビタミンCを効率よく体内に取り込むのを助ける成分が含まれているため、含有量から予測される以上に血液中のビタミンCの濃度が増えると考えられます。(日本園芸農業協同組合連合会のくだもののはたらきより抜粋)

便秘の解消に

食を通じて生活習慣病などを予防するためには、腸内細菌叢を健全に保つ必要があります。
果樹研究所で行われたヒト介入研究において、リンゴ非摂取時には腸内のビフィズス菌の占有率は20.5%でしたが、リンゴ摂取後には35.9%と15%も増加しました。
一方、悪玉菌であるウエルシュ菌は、消失もしくは減少していました。この働きはヨーグルトなどにも劣りません。
さらに、リンゴ摂取により排便の回数が増え、便の悪臭が減るとともに、便中の食物繊維や水分の量が増加し、便性の改善が認められました。
このことは、リンゴ摂取は便秘の解消に有効であることを示しています。(日本園芸農業協同組合連合会のくだもののはたらきより抜粋)

アレルギー予防に

イギリスで行われた1471人を対象とした症例対照研究では、リンゴ摂取が多いとぜん息になるリスクが減ると報告されています。とくに、1週間に2回以上リンゴを摂取すると、気管支ぜん息に罹患するリスクが32%減りました。
オランダ・ズフェン地域の住民に対する研究において、慢性非特異的肺疾患と食生活についての25年間(1960~1985)の疫学調査によると、野菜や魚類の摂取と疾患発症との間には有意な差は認められませんでした。
一方、アレルギー発症と関係するリノール酸の摂取が多いとリスクが55%上昇しますが、リンゴの摂取で、慢性非特異的肺疾患のリスクが38%下がることがわかりました。
この理由を解明するため、果樹研究所では、リンゴペクチンによるアレルギー予防効果についてヒト介入研究を行いました。その結果、リンゴペクチンを摂取すると、摂取前と比較して、アレルギー発症の原因物質である血液中のヒスタミン濃度が24%有意に減少しました。
以上の結果から、リンゴの摂取は、気管支ぜん息などアレルギー予防に有効と考えられます。(日本園芸農業協同組合連合会のくだもののはたらきより抜粋)

たつみ農園の豆知識

リンゴ摂取で中性脂肪が減少

ヒト介入研究は、14人(男8人、女6人:平均45歳、30~57歳)で行った。1日1.5~2個(360~480g)のりんご「ふじ」を普通に食べてもらい、血液成分の変化を測定した。摂取したリンゴ1.5~2個に含まれている遊離糖含量は53.5~71.3gで、そのうち果糖は27.0~35.9gであった。
リンゴ摂取前の中性脂肪の平均値は110mg/dlであったが、りんご摂取後には87mg/dlとなり、平均21%有意に減少
した。
また症例は少ないが、基準範囲を超えていた人の場合、中性脂肪が基準範囲内まで減少した。リンゴ摂取前が214mg/dlであった人は、リンゴ摂取により126mg/dlとなり、88mg/dlも減少した。
このことは、よくいわれていた「リンゴなど果物は果糖が多いので中性脂肪を増やす」とする説をくつがえす結果であった。むしろ、中性脂肪が多い人では減少幅が大きく、少ない人では増加することから、リンゴは中性脂肪を正常化するように働くと考えられた。(日本園芸農業協同組合連合会のくだもののはたらきより抜粋)
 

桃の医薬的効果

ビタミンE、ナイアシンなどビタミンが豊富

モモは牛乳にも劣らないほどビタミンEは1.4mg/200gと豊富に含まれていて、糖尿病、動脈硬化、アルツハイマー病などの生活習慣病や老化の予防効果があります。ビタミンEの一日の摂取目安量は8mgですから、モモを1個摂取するだけで18~35%をまかなえます。ナイアシンは1.2mg/200g含まれています。ナイアシンは多くの酸化還元反応に関与しています。そのため、ナイアシンは糖質、脂質、タンパク質の代謝に不可欠であり、ビタミンB2と同じような役割を果たしています。食物繊維は2.6g/200g含まれ、特に水溶性食物繊維であるペクチンが多く含まれています。ペクチンにはコレステロール正常化作用や腸内細菌叢改善作用があります。日本人は、食物繊維が一日当たり3~4g不足しているので、モモを1個食べると、この不足分を補えます。(日本園芸農業協同組合連合会のくだもののはたらきより抜粋)

 

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